法律よもやま話

「店長」は管理職?

2008.01.29

昨日、東京地裁において、日本マクドナルドが、「店長」を管理職として扱い、残業代を払わないのは違法であるとした判決が出されました。

法的には、日本マクドナルドにおける「店長」が、労働基準法上の「管理監督者」に該当するかどうかが争点となったわけですが、裁判所は、日本マクドナルドの「店長」は、「管理監督者」には該当しないと判断したわけです。

労働基準法上、普通の「労働者」であれば、時間外手当や休日労働等の規定により保護され、残業代等が支払われることになりますが、「管理監督者」に該当する場合、時間外労働や休日労働といった規定が適用されないため、残業代を払う必要はないのです。

企業が「管理職」と位置づけるポストが、直ちに、労働基準法上の「管理監督者」に該当するわけではありません。
労働基準法上の「管理監督者」といえるかどうかは、労働条件の決定その他労務管理において経営側と一体の立場にある者で、名称にはとらわれず実態に即して判断すべきとされています。また、職務の内容・権限・責任、出退勤の自由度、その地位にふさわしい処遇、などから実質的に総合的に判断されることになります。

今までの裁判例の中でも、出退勤の自由がなく、部下の人事考課や機密事項にも関与していない「銀行の支店長代理」のケースや、昇進前とほとんど変わらない職務内容・給料・勤務時間の「課長」といったケースでは、「管理監督者」ではないとされています。

今回のケースでも、「店長」は、アルバイト管理の権限はあっても、本部の経営にはタッチしていないし、賃金面でも優遇されているとはいえない、といった理由から、「店長」は「管理監督者」には該当しない、と判断されたようです。

役職の肩書とは名ばかりで、実質的には、長時間労働を強いられ、賃金もさほどアップしない、といったケースはままあります。
今回の判決は、そういった傾向に歯止めをかけるきっかけの一つになっていくものと思われます。

———————————————————–
  ~あなたの身近な法律アドバイザーとして~
    東京都 練馬区 石神井公園駅徒歩2分
   『相澤法律事務所』 弁護士 相澤愛
     http://www.aizawa-law.jp/
———————————————————–

ページの先頭へ戻る