思い出事件録

お姉ちゃんが妹の未成年後見人に

2008.02.17

先日、未成年後見人のお話をしました。
後見人というと、年配の方をイメージする場合が多いかもしれませんが、今日は、とても若い後見人のお話です。

その家族は、お母さんを早くに亡くし、お父さんが男手ひとつで娘さん2人を育てていました。娘さんたちは、当時、中学生と幼稚園生だったと思います。

ある時、お父さんが事件に巻き込まれてしまったのですが、私が関わらせていただき、なんとか、解決に至ることができました。
なかなか素敵なお父さんで、事あるごとに、2人の娘さんのことをうれしそうに自慢しておられたのをよく覚えています。

それから、数年がたち、その方の娘さんからお電話がありました。

きっと父娘3人で、平穏に暮らしているだろう・・・私はそう思っていました。

ところが、娘さんから出た言葉は、意外な言葉でした。

お父さんが自殺により亡くなったとのこと。

呆然として何も言えない私に対し、娘さんは、殊勝にも、「妹はまだ小学生です。私が妹の面倒をみなくてはなりません。私が、妹の未成年後見人になれないでしょうか。その手続きをお願いしたいのですが。」と言うのです。

しかし、お姉さんはまだ高校を卒業したばかりの18歳。自分自身も未成年者ですから、妹の後見人にはなれません。

私は、姉妹とも話し合い、叔父さんに未成年後見人になってもらうよう段取りをし、手続を進めました。

2年後、晴れて成人したお姉さんは、妹の未成年後見人になるため、家庭裁判所の手続きをとりました。

自分の将来よりも何よりも、小さな妹のために、精一杯頑張っていたお姉さん。
そのお姉さんを、心から慕い、頼りにしていた健気な妹。

今も、肩を寄せ合い、必死に生きているはずの姉妹に、幸多かれと祈らずにはいられません。

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