春野菜の植え付け
4月に入ると春野菜の植え付けがどんどん始まります。
2週連続で農家の先生から講義を受け,ひとつずつ作業をすすめていくうちに,
がらんとした畑も一気に活気づいてきました。
種をまいた野菜は,小松菜,青梗菜,ほうれん草(2種),ラッディシュ,ねぎ,トウモロコシ,大根。
苗を植え付けた野菜は,キャベツ,玉レタス,サニーレタス。
種イモで植え付けた野菜は,ジャガイモと里芋。・・・ここまでで合計13種類になりました。
今日は,ほんの一部,トウモロコシの種の植え付けをご紹介しましょう。
ここはトウモロコシの畝。まず,堆肥と指定の肥料をまいてよく耕します。
耕す道具は,「スェーデン鎌」を使います。
普通の鎌と異なり,先が三角形になっており,軽くて女性でもとても扱いやすいです。
前日に少し降った雨で土の状態は湿り気を保っておりちょうどよい感じです。
よく耕したら次は平らにならしますが,これが意外に難しい。
トンボという道具を使って平らにならす人。コンパクトな直方体の木片を使ってならす人・・。
人それぞれノウハウがあり,また,几帳面か大雑把か性格が出る場面でもあります。
少しの力の加減で,削れたりほげたりするので,ここは精神統一が必要です。
平らにならした後は,マルチをかけて,マルチの周囲を土に埋めて固定します。
「マルチ」とは聞きなれない用語ですが,
ご覧のとおり穴のあいたビニルで,保水や保温などに大変優れており,まさに万能(マルチ)です。
このマルチをぴんと張るのも意外に難しく,特に風のふく日は難儀します。
このマルチの穴の直径は8センチ。
その中に,1センチの深さに,5センチの間隔でトウモロコシの種を2つ植えます。
2つの種のうち,育ちの良い方は残りますが,悪い方は間引かれる運命です。
間引かれる種は可哀そうですが,仕方ありません。
マルチには16個の穴があるので,最終的には16本のトウモロコシが育ち,
それぞれにトウモロコシの実が5個前後実ることになります。
計算するとすごい数のトウモロコシが実ることになりますね。
土をかぶせて,じょうろで軽く水やりをして,ほっと一息。
ここいらでちょうど昼時になりますが,お昼を食べに家に帰ってはいけません。
人間様がお昼を食べに家に帰っている間に,
せっかく植えたトウモロコシのタネが,カラスや鳩のお昼ごはんになってしまうからです。
・・・農家の先生は,講義の際にいつもこうおっしゃって笑いをとります。
でも,笑っている場合ではないのです。
本当に鳩やカラスは電線に止まって人間の作業をよく見て隙を狙っているらしいです。
カラスや鳩に食べられないよう,最後に行う作業は,寒冷紗(かんれいしゃ)を張ることです。
寒冷紗は,遅れ霜(おくれじも)や季節外れの霰(あられ)から苗を守ってくれると同時に,
おいしいタネを鳥から守る役目もしてくれるのです。
こうして植えたトウモロコシのタネですが,
今回使ったタネは,『87日後』に最高の状態で収穫できるように設計されているそうです。
一日単位で収穫の日が予定されているなんて,すごく厳密で驚きます。
農業は奥が深いです。
指折り数えてみると,7月上旬にはおいしいトウモロコシが収穫できることになっております。
こんな風に農作業に従事した週末でしたが,久しぶりに張り切って鎌を振り上げたせいか,
今日は,二の腕が筋肉痛になってしまいました。。。