日々雑感

予防法務の実践

2017.01.29

1年半前に法律顧問になった会社があります。立ち上げたばかりの会社で契約書を作成すること自体が初体験という状態で、担当の若い女性スタッフは悪戦苦闘されていた様子でした。

国内取引の契約に引き続き、中国の企業との取引もすることとなったことから、想定されるリスクを洗い出して整理し、それを契約書に織り込むなどする作業を一緒に行い、それこそ一言一句、苦労して契約書をまとめました。

あれから1年、再び中国の企業との取引の話が持ち上がっているとのことで、新しい契約の件で打ち合わせしたいという連絡があり、担当の女性スタッフとの打ち合わせをいたしました。

女性スタッフは、「今度の契約書には、このようなことを盛り込んでもらうつもりです」と前置きして、それこそ20項目にわたる点を整理して説明をしてくれました。

例えば、工程が遅れたときの扱いや原因に応じた責任の所在、各工程を確実に終了させて次の工程に進むための確認手段、委託金額を確実に回収できるための方法、お互いの担当者間で行き違いが生じないための確認の方法、などなど。そのすべてが1回目の取引の実体験の中で感じた不都合な点を踏まえたものでした。

実体験に基づき感じた不都合を、次回は修正して不都合が生じないようにする・・・これこそがまさに予防法務を実践していることだと感じました。

以前の契約の際に生じた不都合な点を引き出しの中に集積していくことで、今後の取引における具体的なリスクを想定しやすくなりますし、次の契約書では、そのリスクを回避するための方策をちりばめた、まさに「生きた」契約書を作成することができるようになります。

わずか1年ちょっとでここまで成長した女性スタッフの姿がとても頼もしく思われたことでした。

小さい会社ではありますが、このようにキーになるスタッフがきちんとした契約書を作成するスタンスを身につけていることは、今後の会社の発展に大きな力となるだろうと確信いたしました。

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  『相澤法律事務所』 弁護士 相澤愛

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